研究が好きだから企業の研究職、研究開発職につきたい。
でも周りから「不器用」って言われるんだよな…。確かに実験も上手じゃない。
不器用な人間は研究職、研究開発職に向いてませんか?
当記事では上記の疑問や要望にお答えします。
本記事の内容
- 研究職に不器用さが必要だと思う理由
- 研究職に限らず、新しいことを始める時は不器用で当たり前
- 不器用は短所ではなく長所である【焦ることなかれ】
修士で大学を卒業後、大手企業で研究しているくりぷとバイオ(@cryptobiotech)と申します。
不器用さに定評のあるやつです。
研究室の後輩と就活相談していると、以下のようなことをよく聞かれます。
不器用な人間は研究職、研究開発職に向いていないですか?
結論をバラしてしまいますが、不器用はむしろ研究職において武器になります。
僕がそもそも不器用さに定評がありますし、別に不器用でも研究職・研究開発職はやれます。
そこで当記事では「なぜ研究職は不器用でも良いのか?」ということを解説しますね。
ご一読いただければ、不器用で悩んでいるあなたも安心して研究職や研究開発職を志望できるかと!
- 研究が好きだけど周りから不器用と言われ悩んでいる方
- 研究職、研究開発職を受けてみたい方
- 不器用さに定評がある方
目次
研究職に不器用さが必要だと思う理由
僕が研究職に不器用さが必要だと思う理由は以下の通りです。
- 研究職の不器用さは、慎重さが身につくから。
- 研究職の不器用さは、謙虚さを維持できるから
- 不器用さの自覚は自己研鑽を当たり前にするから
順々に説明しますね。
研究職の不器用さは、慎重さが身につくから。
不器用であればあるほど、研究に対して慎重になります。
なお、ここでいう慎重とは「スタートが遅くなる」というわけではなく「1つ1つの作業が丁寧になる」という意味ですね。
僕がそうなのですが、自分自身の実験スキルにそこまで自信を持っていないです。
だからこそ実験をする時には毎回1つ1つ手順を慎重に、かつ丁寧にこなすようにしています。
「自分は器用だ」と思っていたらどこかで慢心を生んでしまうような気がするので。
自分は器用だと思っている人に限って、実は雑に作業しているだけという場合があります。
器用だからってササっと採取したサンプルがクオリティ低かったりとか。
一方、自分が不器用だと自覚していれば、実験を適当にやってしまう可能性は低くなります。
ただでさえ不器用なのに、そこで無駄にスピード感とか重視し始めたら絶対カオスな結果になりますからね。
それゆえ不器用さは研究職において、むしろ必要なスキル・考え方だと考えます。
研究職の不器用さは、謙虚さを維持できるから
研究職における不器用さは、自然と謙虚さを維持できるのでおすすめです。
なぜなら不器用ゆえに調子乗ったことをすると、高確率で失敗すると知っているから。
例えばですが、iPS細胞を培養していた僕の知り合いの話をしますね。
彼も自分のことを不器用だと自覚しており、最初はとても丁寧に培養していました。
マニュアル通りにいつも作業して、培養手技も高精度。
が、ある時「ここまで丁寧にやる必要ある?」という悪魔にそそのかされて、試しに簡易培養法を勝手に検討。
その結果、iPS細胞の品質が大幅に劣化し、当初計画していた実験が1ヶ月くらい遅延することに。
共同研究だったこともあり、相手側にも迷惑をかけるハメに。
不器用が調子乗ったことすると、甚大な被害を生じる好例だと思ってます。
一方、不器用さを自覚していれば傲慢になることはないですし、淡々と謙虚さをキープできます。
自分の実力に酔って傲慢になってるよりはよっぽどマシだと思うので、不器用さはむしろメリット。
不器用さの自覚は自己研鑽を当たり前にするから
不器用だと自覚していると、自己研鑽が当たり前になります。
当たり前になるというか、要領が悪いので危機感が芽生えるんですよね。
あ、周りと同じ量の作業してたら人生終わる。
自然とこういった気持ちになるので、もはや自己研鑽を自己研鑽と思いません。
もちろん不器用でなくても自己研鑽はできる!というご意見に異論はありません。
不器用が自己研鑽するよりも、器用が自己研鑽した方が効率が良いのも理解します。
が、前述しましたが自分のことを不器用だと思っていた方が慢心せずに済みます。
僕の大学時代の知り合いで、自分のことを器用だとずっと主張していた方がいます。
どうやら高校時代までは周りに「神童」と言われていたようで、その名残でしょう。
が、実際に話してみると、
「器用ゆえに努力しなくてもいい」
「周りが勝手に神童って言ってくるから困っちゃうよ〜」
とかばっかり言うから、絶対ヤバいやつだと思って速攻距離を置きました。
その後の過程には全く興味なかったので知りませんでしたが、結果的に全然努力もせず、就職で大失敗していたとのこと。
内定ゼロで「就活はクソゲーだからやる気出ない」という名言を残したとか残していないとか。
さすが神童ですね。
とまあ、人生経験上こんな人をみてきたので、不器用だと自覚し続けるのは大事なのかなと思ってます。
不器用さを自覚して、死ぬまでコツコツ努力し続けるしか凡人が勝者になる術はないので。
不器用であることを自覚する人は、研究職に就いても努力し続けられるのでご安心を。
研究職に限らず、新しいことを始める時は不器用で当たり前
不器用でも全く問題なく、むしろ研究職や研究開発職を目指すべし!という話をしました。
もちろん研究職に限らず、そもそも新しいことを始める時には、基本的に誰でも手探りで不器用です。
例えば初めて実験動物を触るときは、めちゃくちゃドキドキするものです。
ちゃんと掴めるか、噛みつかれたりしないか、教えてくれてる先輩に笑われないか…
もちろん中には本当に器用な人もいて、一回教えられただけでスッとできてしまう人がいます。
そういった人を間近で見てしまうと「モノが違うな」とか「自分には才能がないんだな」と思う時もあるかもしれません。
が、案ずることなかれ。
その人は手先が器用なだけで、他のことは不器用な可能性があります。
例えば共同研究先の先生への返信メールが雑だったり、スライドの作り方が雑だったり。
新しいことを始めるときは不器用で当たりまえ!と開き直ると、チャレンジするのに怯えなくなるのでおすすめです。
不器用は短所ではなく長所である【焦ることなかれ】
不器用さは短所ではなく長所であると自覚しながら、謙虚に進みましょう!
ただ1つ注意点として「謙虚になりすぎるとマイナス思考になる」ことを挙げておきます。
謙虚と卑下は全く別物。
自分を本気でdisることなく、でも自分の弱さを冷静に指摘しながら、凡人らしく毎日淡々と作業するのが大事ですね。
というわけで今回の記事は以上です。
ぜひ悔いの残らない就活を。
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ではではっ
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