理系院生の就活って一次面接はどんな感じなの?
グループディスカッションって聞くけど何それ?
とりあえずうまくいくための方法を教えてください。
当記事では上記の疑問・要望にお答えいたします。
本記事の内容
- 理系院生の就活で最初に待ち構える一次面接(GD)とは?
- 就活で理系院生が一次面接(GD)を突破するための考え方
修士で卒業後、大手企業で研究しているくりぷとバイオ(@cryptobiotech)と申します。
就活では製薬・食品など様々な分野から研究職・研究開発職の内定をいただいています。
当時の成績として「面接に進むことさえできれば」内定率は100%でした。
企業にエントリーして、ESを提出すると待ち受ける一次面接(グループディスカッション、以下GD)。
要は「集団面接」なわけですが、技術系のGDではどのようなことを話し合うのかご存知ですか?
各種就活サイトにはGDのコツなどが詳しく書かれている記事がありますが、研究開発職・研究職志望の学生が経験するGDの内容紹介はそんなにないのでは。
というわけで当記事では「理系院生の就活の面接で実施されるGD」の内容と勝ち抜き方をざっくりと解説します。(実体験込み)
当記事を読んでいただければGDに対する心構えや攻略のコツが身に付くかと。
- 研究職・研究開発職に興味がある理系の方
- 面接で落とされたくない方
- GDをうまく切り抜けるためのコツを知りたい方
目次
理系院生の就活で最初に待ち構える一次面接(GD)とは?
そもそも理系院生の就活生が最初に遭遇する一次面接(GD)とは、マイナビによると下記のように定義されるようです。
グループディスカッションは、グループで与えられたテーマについて議論し結論を出すこと。
GDの内容は上記のように定義されておりますが、当たり前ですが企業によって内容は大きく分かれます。
例えば「就活ノート」の記事に記載されている食品業界のGD例では、下記のようなテーマが出たようです。
【味の素冷蔵食品】 小学生向けのHPを作るとしたらどのように作るか
【味の素ゼネラルフーヅ】 自分の案件を実現するために事業資金を確保する
【江崎グリコ】 ヒットした訳はなぜか
【カゴメ】 これからの食品業界の若手社員に求められる資質はなにか
【カルピス】 カルピスで好きな商品、他社で好きな商品を挙げて自由に議論する
【キリンビール】 ある居酒屋に対する販促企画
【協和発酵キリン】 留学生の受け入れを計画する、スーパーの売上げをあげるには
【東ハト】 お菓子とはなにか
【日本水産】 プロフェッショナルとはなにか
【日本製粉】 13種類の絵を当てるパズルゲーム
かなり企業ごとに違いがあって、内容の事前予測が困難であることがわかりますね。
GDはテーマが変わろうと、基本的に集団面接であることは変わりません。
そしてグループで1つの結論を出すということも変わりません。
であれば、ある程度のコツがあるはず。
そこで次項では、僕が実際に経験して気づいた「GDでうまく切り抜けるための考え方」を解説しますね。
就活で理系院生が一次面接(GD)を突破するための考え方
僕が実際に研究職・研究開発職のGDを経験して感じた「GDを突破するためのコツ」は下記の通りです。
- 周りを論破する場ではないことを心に刻むべし
- グループ内の意見を昇華させることに全力を注ぐべし
- グループとしてまとめるには客観性が必要
- 進行役(グループリーダー)にならなくても良い
- 進行役が全然機能しない場合は、理論的にしばいて良し
- 相手が発した言葉の本質を、別の言葉で翻訳しなおせ
- 時間は厳守。そして時間が短縮されるリスクに備えよ
順々に説明しますね。
周りを論破する場ではないことを心に刻むべし
GDは周りを論破して「ドヤァ…」と勝ち誇る場でないことに注意です。
なぜならあなたの1意見だけでチームの意見・結論を決めてしまったら、社会において「ダメなチーム」の典型例になるから。
例えばこれは「とある上司と部下2名の関係」を想像してみればわかりやすいと思います。
以下のようなシチュエーションは、建設的な議論になっているでしょうか。
上司 「この件に関して、意見がほしい」
部下1 「ここは▲▲だと思いますね」
上司 「それは違うだろ、俺は○○だと思っているんだが」
部下2 「え、でも○○だと全然違う結果になりますよ?」
上司 「いやいや○○が正しい。お前たちの意見は間違っている」
部下1&2 「はい…。じゃあ○○で良いのでは。(自分の意見を認めてもらいたいだけかよ)
上司 「よし、じゃあ○○が総意として進めよう!」
部下1&2 「・・・・・・・・」
明らかに議論として破たんしていることがわかると思います。
確かに就活においてGDは競争なので、自分の功を立てるために意見主張したくなる気持ちもわかります。
しかしあなたが周りの意見を押し退けて自分の意見を通そうとしても、チームとしてベストな結論にはなりません。
あなたにとってベストな結論になっているだけです。
今の世の中は、下記の良書のように「チームで成果を出すこと」が要求される時代です。
釈迦に説法ですがこれは研究も同様で、もう個人で素晴らしい成果を出せる時代は終わっています。
自分に足りない箇所をいかに周りに補わせるか。
というオレオレ的発想ではなく、
自分に足りない箇所をサポートしてもらう&サポートしよう。
という発想が非常に重要です。
GDにおいても全く同じなので、ぜひ独りよがりな議論にならないようご注意くださいね。
GDの議論は限定条件下で考えること
GDでは与えられたテーマに対して、話す内容を制限することが重要です。
GDテーマは非常に抽象的なものが多いので、そのまま話し始めると議論が発散します。
たとえば「就活ノート」の記事であった「【日本水産】プロフェッショナルとはなにか」が実際にGDで出た時を考えてみましょう。
「プロフェッショナルの定義なんて簡単だよ!○○と▲▲と◇◇だ!」
とチームメンバーのそれぞれが意見を出し合ってくると思います。
それらの意見を集約して、意見が一番多かったやつを採用するという進め方でも良いでしょう。
しかし注意したいのは「プロフェッショナルってそもそも何?」「どんなプロフェッショナルを意識している?」という前提確認をしていないこと。
例えばプロフェッショナルといっても、プロスポーツ選手なのか、大統領なのか、芸術家なのかで求められる素養は違いますよね。
また、手先が器用な人をプロフェッショナルというのか、100人をマネジメントできる人をプロフェッショナルというのかでも全然違います。
当時僕がGDをやっていて非常に感じたのは、みんな「自分の前提・価値観」を当たり前と考えて話を進めがち。
大学4年間をスポーツ漬けで過ごした就活生と、4年間アルバイトに明け暮れた就活生では前提や価値観が当然異なります。
良い議論を進めるために必要な最初のステップは「みんなの前提を統一させること」です。
例えば先ほどのテーマは日本水産のGDで出されたものなので、
「漁師」におけるプロフェッショナルとは?
を考えると企業側も納得しやすいかもしれません。
一度「漁師」にセッティングしてあげれば、みんなが「漁師」に必要な素養を考えるので議論が発散しません。
それゆえGDでは抽象的なテーマに対して、あえて狭めた条件で話し合うことを意識しましょう。
意外にこれを意識できている人は少ないので、うまく主張して周りを納得させて議論が進めば高評価になりますよ。
グループとしてまとめるには客観性が必要
議論を進める際に意識すべきこととして、議論から一歩引いて参加すること。
要は「客観性を持て」ということなのですが、客観性がなくなれば議論は偏った内容でしか話が進まなくなります。
残念ながらあなたとディスカッションするメンバーの中には、「自分の意見を主張したい就活生」がほぼ確実に1人はいます。
周りが言ったことをとにかく論破しようとする就活生がいると、なかなか議論はカオスになりますね。
ただカオスな環境の中で、あなたまでカオスになってしまっては議論はもう進みません。
結果的に、そのGDで参加していた全員が落とされる可能性すらあります。
だからこそあなたは一歩引いて「聞き役」に徹して、議論がおかしな方向に進んでいたら修正する担当になりましょう。
そして意見を求められたら、すでに議論されている内容をさらに昇華させるような意見を言いましょう。
「GDではとにかく話さないと」と考えてしまいがちですが誤りで、チームの意見をより価値あるものにすることが一番大事。
議論の中で足りないことを正しく主張するには「聞く」が最重要。
持論ですが、客観性を常に維持した聞き役&サポート役がGDでは最強です。
一方、自分の意見を主張することほど楽なことは現代社会においてあまりないです。
ただ意見を主張するマンにだけはならないようご注意を。
進行役(グループリーダー)にならなくても良い
よくGDで聞かれる質問として「グループリーダーになるべきですか?」があります。
個人的にはまったくなる必要がないと思います。
そもそも就活は競争で、自分の意見をとりあえず通したいと考える人が圧倒的多数です。
そんなワガママな集団の意見を取りまとめて最高の意見に仕上げるというのは少々難易度が高いタスクです。
あとグループリーダーになると発言数は増えますが、自分の意見を主張できなくなる可能性があります。
自分の意見を主張したい人がグループリーダーになるのは見当違いですね。
グループリーダーは無駄な心労がかかるので、やりたい人にやらせてあげましょう。
進行役が全然機能しない場合は、理論的にしばいて良し
仮に進行役が全く機能を果たさなかった場合、感情的にならず冷静にしばきましょう。
機能を果たさないというのは、例えば次のような場合です。
- 自分の意見がとにかく正義だと主張する
- 根拠を説明せずに周りの意見を否定する
- 当初のテーマから話が脱線する
GDでどんなメンバーとチームを組むかは運次第。
運が悪いと超地雷のメンバーを引き当てることがあります。
が、そこで「あんなやつと一緒じゃ無理だ」と諦めることなかれ。
社会人になるということは「合わないやつとも組んで成果をあげる」ということです。
それがお金(給料)をもらうプロとして大事な考え。
むしろ地雷なメンバーに遭遇した時は「この人をどうやって止めるかゲーム」と考えましょう。
人生がかかっている場面でゲームなんて不謹慎だ!
そんなこと思ってる余裕があるわけない!
というご意見も確かにわかります。
が、1つのGDがボロボロだったとしても人生が終わるわけではありません。
最悪、次のGDで挽回すれば良いだけです。
地雷メンバーに対して色々なアプローチを講じるのは学ぶことが多いので、あなたが「おかしい」と思ったらその根拠とともに冷静にしばきましょう。
相手が発した言葉の本質を、別の言葉で翻訳しなおせ
相手が発した言葉の意味をしっかり自分の言葉で翻訳しましょう。
これは自分がGDでいつも意識していたことです。
例えば「研究者にとって必要な要素は?」というテーマで話を進めていたとします。
そこであるメンバーが「朝から夜までずっと研究し続けること」と言ったら、あなたはどう感じますか?
ある人は「つまり熱意ね」と翻訳するかも。
また別の人は「つまり忍耐力ね」と翻訳するかも。
その人がなぜそう言ったのか、真意を確認しないまま話が進んでしまうと最後のまとめで「?」となるので注意。
実際にそうなった友人の話を知っています。
皆が同じことを共有できているとリーダーが思いながら最後にまとめようとした時に、
「私はそんなつもりで話していたわけではなかった。それはおかしい。」
とちゃぶ台をひっくり返されることがあったそうです。
こんな悲劇を生まないためにも、相手が言った言葉の本質を確認しておくのは大事。
どうでもいい意見ならスルーでいいですが、重要な意見ほどしっかり確認すべきですね。
周りに「なるほど、そういう意味だったのか」と思わせるとGDでは高評価もらえるので、積極的に翻訳していきましょう。
間違っていたら謝るだけで失うものは特にないので、翻訳せずに議論が進んでしまうことの方が100,000%損ですね。
時間は厳守。そして時間が短縮されるリスクに備えよ
言うまでもないことですが、与えられた時間内にGDの結論を出すことは必須です。
さらにコツをお伝えしておくと、突然時間が短縮されるリスクにも備えましょう。
僕が実際に受けていた企業のGDで、最初は30分だったのに開始10分くらいしたら「面接の都合上、あと10分に変更します!」と言ってきたことがあります。
例えば30分で時間が設定されたとしたら、25分で議論を終わらせるという発想がGDでは重要。
なぜならGDは必ず議論の後に発表があります。
誰かがチームの意見をまとめて発表するわけですが、発表練習をさせてあげるのは大事。
発表練習できずに、たどたどしく発表されてしまったらあなたのチーム評価に影響しますので。
むしろチームで発表する人の練習を聞いてあげて、修正してあげられるくらいの余裕が必要かと。
何事も早く終わらせておくと余裕が出ますので、GDの議論は早めに結論を出すようにしましょう。
理系院生の就活の一次面接(GD)で必要な能力は「主張力」ではなく「聞く力」
というわけで研究職・研究開発職のGDで僕が実際に大事にしていたことをまとめました。
理系は理論的に考えられる人が多いとはいえ、GDでワガママになる人はけっこういます。
そういう人に油を注いで燃やしても時間の無駄なので、聞く役に徹して冷静に理論でフルボッコしてあげましょう。
地雷メンバーに出会えるのは経験としては貴重ですが、その選考に落ちて良いわけではないですからね。
繰り返し主張しますが、GDで大事なのは主張することではなく聞くことです。
当然聞く方法にもテクニックがあって、それは下記のような書籍を真似するだけでOK。
こういった本をそのまま真似をする心理を身に付けつつ、さらに就活サイトのGD情報を見ておくとかが良いですね。
「就活ノート」は僕も就活時期に活用していてかなり役立つ無料サイトだったので、登録しておくと情報量で周りと差が付けられますよ。
それでは、ぜひ素晴らしい就活を。
ではではっ
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