○製薬企業の研究職はこれから大丈夫なの?
○就職先に製薬企業を考えていたけど改めた方が良い?
○製薬志望の修士卒はどういったリスクに備えるべき?
当記事では上記の疑問にお答えします。
本記事の内容
- 修士で製薬会社研究職への内定を狙う学生が今後考えるべきこと5つ
- 会社はあなたの人生に責任を取ってくれない【1社依存はやめよう】
修士で大学を卒業後、大手企業で研究しているくりぷとバイオ(@cryptobiotech)と申します。
就活では製薬・食品など様々な分野から研究職・研究開発職の内定をいただいています。
先日、なかなかショッキングなツイートがTLに流れてきました。
エーザイから始まり
協和発酵キリン
鳥居薬品
大正製薬ホールディングス
アステラス製薬
国内製薬会社が次々に希望退職を募る薬価改正が問題と書いてあった
国、支援してくれ https://t.co/pUta227Mbc
— 化学者 -Medicinal Chemist- (@organischchemie) February 13, 2019
国内製薬業界が苦戦しているのは今に始まったことではありませんが、ここまで次々に希望退職を募るというのは異常かなと。
就職で製薬希望のあなたも「製薬は今後大丈夫かな…」と思っているのはないでしょうか?
特に修士卒で製薬の研究職を狙っている学生は、なおさら製薬企業で研究職として生きていけるのか不安になりますよね。
そこで本記事では「生き残るために製薬志望の学生が今後考えるべきこと」を解説しますね。
当記事を読んでいただければ、あなたのキャリアプランを考える一助になります。
- 製薬志望だけど将来が不安という方
- 製薬以外の就職先にどんな業界があるのかわからない方
- 修士卒だけど研究職として生きていきたい方
目次
修士で製薬会社研究職への内定を狙う学生が今後考えるべきこと5つ
修士卒で製薬企業研究職の内定を狙う学生が今後考えるべきことは以下の5つです。
- 死ぬ気で語学勉強すべし
- 製薬以外の業界も見るべし【活躍の場はたくさん】
- 修士は研究職以外の生き方も学んでおくべし
- “一生”研究し続けたいならPh.Dは取っておくべし
- 最悪のケースを常に想定して行動すべし
順々に説明していきますね。
修士卒は死ぬ気で語学勉強すべし
修士卒で製薬企業の研究職を狙うあなたは本気で、いや死ぬ気で語学勉強すべし。
なぜなら当記事を読んでいるあなたも理解していると思いますが、英語もできない研究者が今後活躍できるはずないからです。
実は何を隠そう、僕はまだ英語をビジネスツールとして使いこなせるレベルにはいません。
研究トークならなんとかなりますが、世間話までするとなると正直自信ないです。
しかも悲しいことに最近は割合が増えているのか、自分の同世代でもけっこう帰国子女いるんですよね。
当然彼ら/彼女らはペラペーラ。
仮にあなたが上司だったとして、第二・第三言語ペラペーラの若手社員と日本語しか喋れない若手社員がいたとします。
情報収集が目的の国際学会に行かせるとしたらどちらに行かせますか?
というわけであなたも全力で語学勉強した方が良いですよ。
完全な自動翻訳機とかどう考えても早くて10年はかかりますし、それが出た時にはあなたも35歳前後。
これからの世界で研究者を志望する人間が35歳まで日本語しか話せないとかダサすぎます。
「でも英会話とか続かないんだよな…」という方は、まずTOEICで900点以上を狙うと良いです。
なぜTOEIC?という方は、外部サイトですが下記記事をご一読ください。
外部サイト 商社マンの僕がTOEIC900点を目指すべきだと繰り返す理由とは?
TOEFL100点は世界で戦う為の登竜門。
TOEIC900点はこれから英語を真面目に学ぶ意識があるかを測る足切り。 https://t.co/BF4FUyEjLf— イシコ (@newsalaryman_21) November 26, 2016
この日本においてTOEICやTOEFLの点数はかなりインパクトを与える資格となり得るので、ぜひこれらは英語の登竜門として取得しておきましょう。
語学はサラリーマンにとって、究極のスキルではないかと考えます。
製薬以外の業界も見るべし【活躍の場はたくさん】
製薬企業を志望している学生は、今からでも遅くないので製薬以外の業界も調べるべきですね。
例えば薬学部で完全なるメディシナルケミストだったとしても、以下の業界でガッツリ需要があります。
- 化学業界
- 化粧品業界
- 食品業界
- 香料品業界
自分は薬をつくるために薬学部に入ったんだ…!というあなたの意思を無下にするつもりはまったくありません。
が、もしあなたが「製薬業界の将来」に関して不安を感じているなら話は別です。
その不安に対してしっかり向き合ってあげないと後悔することになりますよ。
例えば上記で挙げた業界を試しに調べてみたら「意外に面白そうじゃないか…」と思うかもしれません。
もし調べたけど「やっぱり自分は製薬しかない!」と決断できるのであれば、それはそれで他業界を調べる価値はあったはず。
その想いをESや面接でぶつけてあげれば、きっと人事の方にも響くでしょう。
要は、他業界のことをまったく調べずに「自分は製薬しかありえない!」と思い込むのは危険ということです。
ちなみに他業界の調査が苦手なのであれば、例えば下記のような本を一冊読むだけでも参考になりますよ。
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修士は研究職以外の生き方も学んでおくべし
前項ではあくまで研究職として様々な業界を見ておくべし、という話をしました。
しかし修士卒で研究職を志望するのであれば、やはり別職種について知っておくほうが良いです。
なぜなら修士卒で企業に入社した以上、やはりPh.D持ちの同期や先輩たちと比較されるのは避けられないからです。
普通に考えれば修士卒で入社したあなたよりも、同期として入社した博士卒の方が研究力はあるはず。
やっぱりそういった人材は研究職として残る可能性が高いですが、修士卒の場合はむしろ多様な働き方を企業側は求めています。
経営判断であなたが研究職から開発職、生産職に異動することも大いにありえます。
それは修士卒で企業に入った以上、覚悟しなければならないリスクの1つ。
その可能性を減らしたいなら博士課程に進学した方が良いです。
ただ研究以外の生き方も、知ってみると意外と面白そうということは全然ありえます。
今はSNSも発達していますので、企業で開発職や生産職に就いていらっしゃる方も見つけやすいはず。
どんどん検索して、どんどん質問しましょう。
“一生”研究し続けたいならPh.Dは取っておくべし
僕も修士卒で企業に入ってもうアラサーですが、一生研究し続けたいと思っているなら100%博士課程に進んだ方がいいです。
前項で述べたように、修士卒だと一生研究職でいつづけるのは正直難しいです。
例えば僕の友人の話ですが、修士卒で企業に入社すると3年くらいのスパンで「ジョブローテーション」があるようです。
3年くらいで研究から開発、研究から生産、もしかしたら研究から技術営業という可能性も。
一方、Ph.D持ちの若手社員はそのジョブローテーションを逃れるようで。
こういった事例もあることを考慮すると、Ph.Dという資格はやはり強力だなと感じます。
あと「企業に入ってから論文博士を獲ろう!」と考えている人もいると思いますが、これはぶっちゃけ運なので気を付けましょう。
僕も入社前までは論博取るつもりでしたが、最初のテーマが論文化とは遠く、このテーマではきついと悟りました。
修士卒はジョブローテーションの荒波に飲まれ、かつ論文博士という道からも踏み外れる可能性を加味して企業研究職を志望しましょう。
企業で研究を一生続けていきたいと思うなら、やはりPh.Dは必要な資格です。
大企業の研究職に就くメリット・デメリットに関する記事もよく読まれています。
関連記事 大企業で研究職に就くメリットデメリット5選【企業人が本音で語る】
最悪のケースを常に想定して行動すべし
これは製薬志望の学生に限った話ではないですが、やはりこれからの時代、最悪のケースは何か?という思考は常に持つべし。
将来必ずこうなりたい、そのためにはこういった行動をすべきだ。
ただ、最悪のケースはこれ。それを避けるための行動はこれだ。
この思考を持ち続けて常に行動していくことは重要でして、思考停止するといつの間にか世界の変化に飲み込まれて終わります。
例えば、あなたにとって最悪のケースはなんですかね?
就活で1社も決まらずに途方に暮れることですか?
せっかく研究職で入社できたのに、1年目で開発職に異動させられることですか?
上司からパワハラを受けて精神を病み、社会復帰できなくなることですか?
仮にそれらが現実になったとしたら、あなたはどうしますか。
むしろあなたにどんな能力があれば、これらの悲劇を防げていましたか?
僕は最近、こういったことを色々と考えながら生きています。
ちなみに僕が考えている最悪なシナリオは数年後に会社が潰れることです。
あと10年以内に日本という国が崩壊する可能性も考えています。
ぶっちゃけかなり可能性の低いシナリオだ…と自分でも思っていますが、仮に実現したら?
だからこそ副業に力を入れて数年後に備えていますし、語学の勉強もしていつでも家族を連れて海外に行く準備を淡々と整えています。
仮に実現しなかったら、それはそれで僕は困らないのでOK。
副業でも収益を得て、かつ語学勉強で英語を使えるようになることに何のデメリットもないですよね。
こんな感じで、けっこうヤバめの未来を想定して、それが実現してもなんとか耐えられる実力を身に付けていくことは大事。
ぜひ当記事を読むあなたにも身に付けてほしい考え方です。
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会社はあなたの人生に責任を取ってくれない【1社依存はやめよう】
というわけで、本記事は以上です。
会社はあなたの人生に何の責任も取ってくれないというのは、就活の段階でしっかり覚悟しておくのが重要かと。
責任を会社に投げてしまうとそれは不満を生みますし、会社にとってもあなたにとっても良いことないです。
仮に1社に依存する考えを持っているとしたら、今すぐにポイッと捨てちゃいましょう!
自分の人生は自分で決める。
会社は自分の人生目標を達成するための手段の1つでしかないので、会社が「人生」にならないようにご注意を。
これから就活をするあなたに当記事が少しでもお役に立てば幸いです。
当記事が参考になったら、ぜひくりぷとバイオ(@cryptobiotech)のTwitterもフォローしてやってくださいませ。
ではではっ
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