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1年目から意識しておいた方が良いこと、注意すべきことは何ですか?
・院生時代の知識・経験に固執しない
・分野問わず書籍をたくさん読む
・会社以外の収入源をつくろう
・とりあえずやってみる精神
・「笑顔」は実力よりも大事
・たくさんの人と話す・飲む
・語学勉強は日々コツコツと
こんな悩みを解決できる記事を用意しました。
ここで解説する『研究職の1年目が意識しておいた方が良いこと』を把握すれば、あなたの研究職生活1年目はより充実するでしょう。
当記事では僕が企業研究職として3年以上の経験を積んだ上で、『これは絶対に必要だな』と確信したことを解説しますね。
企業研究者として入社した1年目は、不安や期待でドキドキ・ワクワクだと思います。
が、1年目で実際何をすれば良いのかイメージしたことはありますか?
というあなたに向けて、当記事では「研究職としての自分を成長させる情報」を共有しますね。
当記事を読んでいただければ研究職同期の中でも差をつけられると思います。
数分で読めますので、ぜひご一読ください!
目次
研究職1年目が意識しておいた方が良いこと7選
研究職生活を3年以上続けてきて、「1年目はこうしておいて良かったな」「こうしておけば良かったな」と思うことは以下の通りです。
順々に解説していきますね。
大学院時代の知識、経験に固執しない
研究職として入社して最初に陥りがちな罠の1つは「院生時代の知識や経験への固執」です。
あなたが院生時代にどれだけ成果を上げたとしても、ゼロからのスタートを意識すべき。
その理由は、周りからしたら「あなたが大学院時代にどれだけ成果を出したか」は興味ないからです。
仮に業績の話を聞いても「そうなんだ、すごいね!で、君は仕事できるの?」と思われるだけ。
それどころか「あの新人、過去の自慢ばかりするね」と変な噂が流れる恐れすらある。
入社1年目は覚えることがたくさんあるので、過去よりも今に没頭して、会社に認められる存在になることを最優先にすべき。
「大学での研究」と「企業での研究」はゴールが明確に違うので注意
大学は革新的な発見を論文化するのがゴール。
企業は革新的な製品を世に出して利益創出するのがゴールです。
研究だけできても企業は利益創出できません。
Nature誌、Science誌、Cell誌に載せられる成果を上げたとしても、それが製品化につながるとは必ずしも限りません。
どんなに良いモノでも、コストに見合わなければ「価値が無い」と切り捨てられるのが企業。
もしあなたが院生時代から以下のようなことを意識し続けていたのなら、企業では大きな強みになるでしょう。
- その研究成果から何がつくれるの?
- それはどうやって作るの?
- それを大量製造する手段は?
- それは誰に売れるの?
- なぜそのターゲットを考えたの?他はないの?
- なぜそのターゲットにその製品を売れると思うの?
- 他社の競合製品は?それはいくらなの?
- そもそもいつまでに作れるの?
- 一体いくらでそれらは売れるの?
- それはどれくらい売れるの?
研究だけではなく、こういったマーケティングも意識しなければならないのが企業研究職。
研究職として学ぶことは、研究以外にもたくさんあります。
「研究職は研究をすればいいんだ!」という思考を持っているあなた。
間違ってはいませんがドツボにハマる危険性があるので、この1年間で今すぐその考えをゴミ箱に捨てておきましょう。
企業研究職は謎を解き明かすために研究するのではなく、ビジネスを創るために研究します。
ゆえに「ビジネスって何?」「この研究費用を得るために自社製品をどれだけ売ればいい?」と視点を変えていくのがおすすめ。
分野問わず書籍をたくさん読む
研究職1年目はとにかく本をたくさん読むべし。
1年目は比較的時間があるので、その間に本を読みまくると、間違いなく周りの同期と差がつきます。
たとえば、研究職で求められる能力として研究力以外にも『社内営業力』や『文章力』などがあります。
これを自分自身でゼロから学ぶのは正直不毛でして、今は良書がたくさん出ているので若いうちに勉強しておきましょう。
特に以下で紹介する書籍は、入社して数年経つ僕が今まさに読んでいるやつです。
これらの書籍を読んで「うわ、もっと早く読んでおけば良かった…」と最近は実感しまくりです。
僕のような後悔の念に駆られないためにも、あなたは入社数年目経ってからではなく、いま読んでおくべき。
研究職が読むべきものは、論文・特許だけにあらず。
会社以外の収益源をつくろう
研究職1年目の方にこれを言うのもなんですが、できるだけすぐに副業を始めたほうが良いです。
なぜなら今は5~10年後の未来がどうなるか見えない時代で、大企業ですら安定とは言えないから。
これは下記のようなニュースで話題になっている通りですね。
また、最近ではバイオ系院生の就職先として花形ともいえる「製薬企業」や「食品企業」も厳しいものになりつつあります。
自分の将来って、本当に大丈夫かな…?
と1ミリでも考えたことがある方は、絶対に副業をしておくべきです。
本業との両立で大変な面が多々ありますが、それを差し引いても有り余るメリットがありますので。
僕個人の話で恐縮ですが、僕は最悪のリスクとして下記のようなことを考えています。
- 数年後に会社がR&Dの「Reserach」を完全に放棄する
- 5~10年後に会社が衰退して外資に買収される
- 10~20年後に日本が競争力で諸国に負け衰退する
もしこうなったら「日本だけでどう生きていくか」を考えることに意味はありません。
むしろ最近では「妻と二人で副業で月20~30万円くらい稼いで東南アジアに移住する」的なことも考えています。
で、東南アジアで研究力の高い大学に博士課程入学してPh.D獲ることも可能性の1つとしてあります。
これからの時代は「拾って頂いた会社にしっかり貢献する」という気持ちと「万が一のリスクに備える」という気持ちの両立が大事なのかなと。
自分で別の収入源をつくって、金銭面で精神的安定を得てから本業に全力注ぐ方がよっぽど(精神衛生上)効率が良いと思いませんか。
自分でお金を稼ぐ、という意識をつけるためにも副業は大変おすすめですので、ぜひ副業にも目を向けてみてくださいね。
なお「副業って何すればいいの?」と悩んでいるあなたには「SNS×ブログ」を僕はおすすめします。
「なぜ研究職はSNS×ブログが良いのか?」については下記記事にまとめておりますので、ぜひ後ほどご覧ください。
とりあえずやってみる精神
1年目は何から手をつけたら良いのかわからない状態で始まりますが、とにかく動きましょう。
先輩や上司の方から指示されたことをとにかくやってみましょう。
なぜなら、やることで始めて「そういうことだったのか」と気づくことができるから。
もしくは、やってみて初めて「これはダメだろ。相談しよう」とわかることもあるから。
僕が新人の頃、先輩がとある実験を教えてくれた時の話をします。
先輩がその実験で精度良く結果を出すために行なっているコツを教えてくれました。
が、僕は「別にそれやらなくても結果出るよね?」と内心思ってやらなかったことがあります。
でも実際にやってみると全然結果が安定しないんですよ、これが。
で、安定しなくて「うーん…」と唸っているときに先輩のコツをふと思い出し「試してみるか」とトライ。
そしたら一発で求めていた結果が綺麗に出た。
もちろん何度やっても再現良く結果が出る…!
この時の経験から、新人のうちは『とりあえずやってみる思考』が大事だと痛感しました。
あなたも「え、それって本当にやる意味ある?」と思う指示が先輩や上司からくるかもしれません。
その時は自分の疑問や不満をグッと押しとどめて、とりあえず一回トライしてみましょう。
もし一回トライしてダメだったら、その時は「こうした方がいいのでは?」と言えばいいだけ。
その時はダメだったデータも持っているので、先輩や上司から「それならこうしてみれば?」とかさらにアドバイスをもらえるかもしれません。
くれぐれもやる前から先輩や上司のアドバイス・指示を否定しないようにしましょうね。
ずっと間違った指示をやり続けるのはナンセンスですが、一度くらいならやって損はありません。
「笑顔」は実力よりも大事
「な~に馬鹿みたいなこと言ってんだ」って思われるかもしれませんが、本当です。
研究職の1年目は実力よりも笑顔を意識するようにしましょう。
前述しましたが、あなたがどんなに卓越した業績を大学で残したとしても、企業で同様に成果を出せるかは未知数です。
中途入社ならまだしも、新人として入社したあなたにいきなり大きな仕事を振られることは普通に考えたらあり得ません。
新人として基礎的なことを仕事として振られることも多く、「こんなことやるために企業に入ったんじゃない」と思うこともあるでしょう。
が、焦ることなかれ。
そんなときに不満そうな態度を外に出してしまうと、周りから「なんだあの新人は」と思われてしまう危険性があります。
人間は感情論で動く生き物ですので、一度「あいつはダメだ」とレッテル貼られてしまうと非常に損をします。
失った信頼を取り戻すには、ゼロから信頼を得るために費やす時間よりもはるかに労力が必要です。
どんなに成果を出しても「でもあいつは○○だからな~」みたいな変ないちゃもんをつけられる羽目になります。
僕自身もいつも思っていますが、誰だっていつもニコニコしている人と仕事したいと思いませんか?
超優秀だけどいつもムスッとしていて、近寄りがたい雰囲気の人と仕事したいか?と考えてみるのがいいかと。
いつも笑顔でハキハキしていて、仕事を楽しそうにしていると人がどんどん寄ってくるのは実体験としても感じています。
もちろん「世の中、実力が全てでしょ?」という考えも間違っていません。
が、せめて一年目は同期での中で誰よりも笑顔を振りまく存在でいましょう。
職種問わずたくさんの人と話そう、飲もう
1年目は多くのことを学ぶだけでなく、社内の方々とたくさん話しましょう。
それは飲み会でもいいし、社内レクでもいいし、社内スポーツ部に参加するでもいい。
ああ、〇〇部の△△君ね。
と覚えてくれる人を1人でも多くつくっておくべき!
なぜなら、いざ誰かに何か依頼したいとなった時、その部署に知り合いが1人でもいたら依頼ハードルがグンと下がるから。
その知り合いの方に繋いでもらって、何か質問することがかなり容易になります。
今の若い方々は「飲みニケーションなんてナンセンス」と思っている方も多いと思います。
それに関しては否定しませんし、確かに「なんでもお酒で解決する風潮」はいかがなものかと理解します。
が、社会人として活躍したいのであれば、目上の方の助力が不可欠。
目上の方とのコミュニケーション方法って、やはり飲みニケーションであることが多いんですよね。
上司の方に「今度飲みに行きませんか?」ってお声がけすると非常に喜んでくださることもしばしば。
まあお酒はあくまで一例でして、要は自分の好きなジャンルで先輩や上司の方と交流しまくるのが一年目では大事。
一年目から「自分はドライで生きていく!ワークライフバランス!」と貫くのは個々人の自由なので何も言いません。
が、交流機会を減らすことによるデメリットが顕在化した時に「もっと交流しておけば…」と後悔しても遅いのでお気をつけて。
語学勉強は日々コツコツと
これはもう絶対に1年目から継続的にやった方が良いですね。
これからの時代、研究者&ビジネスマンで語学ができないのは致命的です。
入社して1年目は語学ができなくても「これから頑張ればいいさ」と周りは許してくれます。
が、入社3年目あたりくらいから周りの目は変わってきます。
え、まだ英語を喋れないの…?
的なオーラが周りからビシビシ伝わってくるようになります。
今は非常に便利な時代でして、英語はやろうと思えばいくらでも学ぶことができます。
海外の方とアプリを通して手軽に英会話できる時代なので、やらない理由がない。
僕は「ネイティブキャンプ」とか「レアジョブ」とか活用していますが、ここまで簡単に英会話できてしまうとやらないのは言い訳になりますね…
ただ「英会話」のハードルは高いので、まずは「TOEIC」とか「TOEFL」から始めるのも一興。
たとえばTOEIC 900点狙うとか、明確な達成目標を立てやすいからおすすめです。
語学は量を積み上げるしか習得する術がないので、コツコツ継続していきましょう。
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というわけで、研究職1年目が意識しておいた方が良いことに関して解説しました。
最後にもう一度だけ復習しましょう!
研究職1年目が意識しておいた方が良いこと7選
何度も同じようなことを言ってしまい恐縮ですが、これからは「誰かの指示だけ聞いていれば生きていける時代」ではないです。
自分自身でお金を生み出していく決意。
それを実現するためのスキル・価値観。
こういったものがより求められる時代です。
自分が満足する企業に入れたからOK!というわけではなく、入社はあくまでスタートでしかありません。
これからあと50年~60年、もしかしたら100年。
目まぐるしく変化していく世界に取り残されないように、今の常識を疑っていくようにしましょう。
ぜひ素晴らしい社会人生活を。
というわけで当記事は以上です。
ではではっ
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