<当記事でわかること>
■あなたのポスター発表に人が来ない理由
■誰でもできるポスター集客術
当記事では「自分のポスターに人が来ない」と嘆くあなたに、誰でもできるポスター集客術をお伝えします。
執筆者のくりぷとバイオ(@cryptobiotech)は院生時代に合計4回の学会に参加した経験があります。
その時の悔しさをバネに学会に対する考え方・取り組みを大幅に見直し。
その結果、最終的には発表時間中に人がまったく途絶えないくらいのポスター集客に成功しました。
その時の経験を踏まえて「こうすれば自分のポスター発表に人が来てくれる」というコツをお伝えしますね。
当記事は数分で読めますし、読み終わった後には「あなたのポスター」に多くの人を集められるようになりますよ。
目次
あなたのポスター発表に人が来ない理由
あなたのポスターに人が集まらない理由は3つ考えられます。
- 他のポスター発表者の心理を理解していないから
- 自分の発表時間外にずっと休憩しているから
- カンペを読んでいるような意思なき発表をしているから
順番に見ていきますね。
他のポスター発表者の心理を理解していないから
あなたがポスター発表を聞きに来てほしいと考えているのと同様、他のポスター発表者もそう思っています。
個人的な意見で恐縮ですが、ポスター発表者の心理はこんな感じです。
- 自分の研究成果を聴きに来てほしい
- 自分の研究テーマの今後に役立つアドバイスが欲しい
- 人脈を広げたい(自分と同分野かどうかは問わない)
- 学会賞が欲しい
これらの通り、基本的に「自分のポスターは他人から興味を持たれていない」と考えておくのが無難。
そう考えていないと、
「ポスターの見せ方が悪い!?」
「笑顔で待っているのが良いのか!?」
みたいな見当はずれの対応策を閃いてしまう危険性があります。
逆に「周りは自分に興味がない」という前提でいれば、「ならどうするか?」という思考になるのでおすすめです。
自分の発表時間外にずっと休憩しているから
たまに自分の発表時間外にずっと休憩している方が学会会場にいますが、非常にもったいないです。
研究室グループ(?)で集まって雑談しているみたいな光景もたまに見ますが、ポスター集客に必要なことを自ら捨てているかなと。
学会期間中、自分の発表時間外は「自由時間」でもありますが、その自由時間をうまく使えばポスター集客率を大幅に上げることが可能です。
後述しますが、僕もこの自由時間に“あること”をすることで、自分のポスターに最大50人近く集めることに成功しています。
カンペを読んでいるような意思なき発表をしているから
ポスターを聞きに来てくれた人に対して“暗記した内容”をそのまま話してしまっている方は要注意。
ポスター発表は聞きに来てくれた方との“対話”です。
たまに緊張のあまり発表内容が飛んでしまったのか、カンペを出したりする学生さんがいます。
気持ちはとてもよくわかりますが、学会で発表する際には、こういったことが起こらないように準備しておくことが重要。
「発表の上手・ヘタは、本人が元々兼ね備えている素質に依存する」と考えている方、それは100%嘘です。
なぜなら我々が“天才”と称するApple創業者スティーブ・ジョブズですら、たった5分間の発表に数百時間の準備を費やしているからです。
ジョブズはスライドの1枚1枚、言葉選び、間の取り方、小道具の使い方、服装、演出など細部まで徹底的にこだわり抜きます。妥協を許さず、たった5分間のプレゼンの準備に数百時間を費やしたといいます。
これを考慮すると、当日の発表であたふたしてしまうのは準備不足と言われてもしょうがないでしょう。
「事前準備の段階からあなたのポスターに人が集まるかどうかは決まっている」と言っても過言ではありません。
スポンサードリンク
誰でもできるポスター発表のコツ【集客編】
前項では自分の過去の失敗経験から「ポスターに人が来ない理由」を解説しました。
では本項では「誰でもできるポスター集客術」について解説していきますね。
難しいことは特になくて、人を集めるためのコツは3つです。
- 自分から積極的に他人のポスター発表を聞きに行く
- ヘトヘトになるまで動く、休むときは数分だけ休む
- 複数の発表パターンを用意しておく(相手の望む情報だけを出す)
1つ1つ見ていきましょう。
自分から積極的に他のポスター発表を聞きに行く
自分のポスター発表に人を集めるために、まず「自分が何者なのか?」ということを知ってもらいましょう。
そのためには「自分から他人のポスター発表を積極的に聞きに行くこと」が大事。
具体的には、5~10分で1つのポスター発表を聞くくらいのスピード感で発表者と話していきましょう。
その時、あなたのことを発表者に紹介することを忘れずに。
実際に僕が発表者に伝えていることは以下の通りです。
- 自分がなぜあなたの発表を聞きにきたのか
- 自分がどんな研究をしているのか
- 相手への質問1〜2個
- 演題番号〇〇で発表しているので、良かったら後でディスカッションしませんか?という提案
上記のことをお伝えすると「後でディスカッションしようと言われたし、行ってみようかな」と思ってくださる方がいます。
僕の感覚では1時間動き回れば6〜7人の発表は聞けます。
そのうち1〜2人が自分のポスター発表を聞きに来てくれればラッキーというつもりでいます。
あと学会では学生さんで名刺を持っている方もいますが、こういう時に使うのがおすすめ。
「さっきディスカッションしようって言われたけど誰か忘れてしまった…まあいいか」ということを防げる率が上がりますので。
ちなみに、積極的にポスター発表を聞くことにトライして個人的に感じたのは、企業研究者や教授陣にはあまり効果がないです。
あくまで学生間でやるのがベターかなと思います。
ヘトヘトになるまで動く。休むときは数分だけ休む。
前項に述べた「ポスター集客」をより効率化するには、やはり多くの人と話すことが重要です。
それゆえ、ポスター発表時間中(自分の担当時間外)は常に発表を見て回りましょう。
なぜなら学会は基本的に1年に1回しかなく、かつ今後の研究をどう進めるかを決定づける重要イベントだからです。
そのような大事な機会に恵まれたなら、とにかく色々な話を聞かないと損!
それは自分の研究にかならず活きますし、何よりも同分野の知り合いが増えます。
知り合いが増えれば、次回以降の学会で向こうから声をかけてもらえることだってあります。
動けば動くほど良いことがあるのが学会。
1年に1回なので恥じらいを捨ててどんどん動いて話しかけましょう!
それは結果的に自分のポスターへの集客にも繋がりますよ。
複数の発表パターンを用意しておく(相手の望む情報だけを出す)
たくさんの人に自分のポスターを聞いてほしいのであれば、ポスター発表は複数のパターンを用意しておくのが吉。
なぜなら「相手が求めている情報を的確に伝える」のがポスター発表で相手に興味を持ってもらう秘訣だからです。
具体的には、以下のような感じです。
- 1分パターン
すでに自分の研究を知っている or 自分と同じ研究分野に精通している方に向けた発表。 - 3分パターン
自分と同じ研究分野ではあるが、なぜ自分がその研究をしているのか全く知らない方に向けた発表 - 5分パターン
自分の研究分野をよく知らない、興味本位で聞きに来てくれた方向けの発表 - 徹底説明パターン(使うことはほとんどない)
誰が来ても説明できるよう、質疑応答も予測して作られた発表資料
ここで意識してもらいたいのは、ポスター発表に聞きに来てくれた人の時間を無駄にしないということです。
例えば、あなたが再生医療分野の研究者であるとします。
その分野の研究者であれば「iPS細胞とは〜」なんて説明は不要ですよね。
「今回自分は○○の検討を行いました」と、いきなり結果の説明に移ってもいいくらいです。
しかし相手がどういった知識背景を持っているかも確認せずに、いきなり説明を始めてしまう人もいます。
再生医療研究者に「iPS細胞とは〜」とか説明しても「知ってるよそんなことは…」と思われてしまうでしょう。
せっかく聞きに来てくれたのですから、その人が求めている情報を的確に提供する努力をすべき。
的確な情報提供のためには、発表の最初に「この分野に関してはどれくらいの知識をお持ちですか?」と聞いてみるのもおすすめ。
そこから引き出した情報を元に、相手に合わせて発表スタイルを自在に変更できれば、あなたのポスター発表はより価値を帯びます。
ポスター発表は「来てくれた人に有益な情報を提供する」という意識でいた方が良い発表に繋がりますよ。
スポンサードリンク
相手の気持ちになって行動することがポスター集客のコツ
というわけで「ポスター発表のコツ【集客編】」を解説しました。
自分のポスター発表に注力するあまり、周りのことを考えている余裕がないという発表者はたくさんいます。
だからこそ、周りのことを考慮した発表は印象に残りますね。
「どうして自分の発表に人が来ないんだ!」
「自分の発表は価値がないのだろうか。」
「自分には研究の才能が無いのか…?」
と、あまり考えても意味がないことに悩むなら、他のポスター発表をとにかく聞きにいきましょう。
色々なポスター発表を聞くことによって「上手な発表、ヘタな発表」もなんとなくわかってきますので。
僕の初めてのポスター発表(学会)は大失敗に終わりましたが、当記事を読んで大失敗を避けてもらえれば幸いです。
というわけで当記事は以上です。
人気記事 価値ある研究者になるために読みたい研究系記事まとめ【どんな場所・時代でも求められる研究者になろう】