就活で推薦を使用することのメリット・デメリットって何?
自由応募に制限がかかるって噂もあるけど本当?
推薦を使わないという選択肢はあるの?
当記事では上記の疑問にお答えします。
本記事の内容
- 就活における理系院生の推薦ってどんなものがあるの?
- 理系院生が推薦を使うメリット・デメリット
- 就活で推薦を使うかどうかの判断基準
- 就活で推薦が使えるなら獲るべし、ただしそこまで重要ではない
大手企業で研究しているくりぷとバイオ(@cryptobiotech)です。
就活では第一志望だった企業に加えて、多分野(製薬、食品など)の企業から研究開発職の内定をいただきました。
先日Peingで下記のご質問をいただいたので、深堀りしてみようと思います。
推薦のメリット・デメリットは何でしょうか。
推薦は本命に使って、他にも自由応募することになると思いますが、先輩によると自由応募に制限(教授の心証的意味?)がかかることもあるとか。
推薦を使わないという選択肢はありえるのでしょうか。
結論だけ先にぶっちゃけておくと、推薦のチャンスがあるなら使うべきですね。
もちろん自分が心から行きたいと思っている企業であることが前提ですが。
当記事を読んでいただければ推薦のメリット・デメリット、推薦を使う判断基準に関する情報がわかります。
推薦を使おうと悩んでいるあなたの決断に役立つかと。
目次
就活における理系院生の推薦ってどんなものがあるの?
推薦っていうけど、そもそもどんなものがあるの?ということに、まずはお答えしますね。
大ざっぱな分類ですが、就活の推薦には以下の3種類があります。
- 学部推薦(大学推薦)
- 教授推薦
- 後付け推薦
1つずつ解説していきますね。
学部推薦(大学推薦)
大学が企業からの募集を受け付ける形式の推薦です。
各大学によって周知方法は変わると思いますが、僕の場合は学部の連絡用掲示板に貼りつけられていました。
「推薦を希望する者は、各学部の進路相談担当○○(どこかの研究室の教授)に問い合わせること」
みたいな感じで、希望すれば比較的誰でも推薦権を獲得することができます。
ただし推薦枠を超える募集があった場合、学生同士での相談、学部・院時代の成績などで決定されることも。
この形式の推薦権をゲットすると書類選考(ESや研究概要)をパスできることが多いですね。
たまにその後の1次選考(グループディスカッション)もパスできたりするので、意外と得るものは大きいです。
教授推薦
研究室の教授と、企業の重役の間にコネクションがあって、その研究室限定で募集がかけられる推薦形式です。
誤解を恐れずに言うと「コネ推薦」ですね。
研究室がビッグラボであればあるほど、このコネ推薦を獲得できる可能性が高まります。
教授と企業重役が繋がっているので、よほど適当に就活を進めなければ、けっこうな確率で内定が出ます。
ただし、後述しますが内定が出たら断ることはできません。
教授の面子にも関わりますし、「断るなら研究室からも出ていけ」と言われても文句は言えないです。
後付け推薦
選考とは直接関係あってないような推薦形式。
内定を出す直前に「御社に入社します」という推薦状&同意書を要求されるやつですね。
この推薦形式は当記事の主旨とずれるので詳細は割愛しますが、ぶっちゃけこの形式を採用する企業は印象が悪いです。
そんなことしなくても良い企業であれば学生は集まりますので。
「後付け推薦=優秀な学生から逃げられてる」と言っても過言ではないです。
他にも細かく分類すれば推薦形式を分けられると思いますが、大体上記の3つを把握しておけば十分です。
では次項では「理系院生が推薦を使うメリット・デメリット」について解説しますね。
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理系院生が推薦を使うメリット・デメリット
僕が考える理系院生が推薦を使うメリット・デメリットは下記の通りです。
<メリット>
- 推薦で選考の一部をスキップできる
- 選考で落とされにくくなる(教授推薦のみ)
<デメリット>
- 推薦で受かったら絶対に行かなければならない
- 推薦だからと油断していると普通に落ちる
- ボスから「就活はその一社だけ受けろ」と言われる
- 推薦のせいかESや面接対策がおろそかになる
- 推薦を獲れなかった同期から妬まれる
順々に解説していきますね。
推薦で選考の一部をスキップできる
推薦を活用する最大のメリットは、選考プロセスの一部をパスできること。
これに尽きます。
特にESや研究概要の書類選考をパスできるのは大きい。
なぜなら書類選考で落とされると「なんで落とされたの…?」ということがわからないから。
面接だと自分でなんとなく手ごたえがわかりますし、特に後学のために面接を録音しているとその精度はさらに上がります。
納得して落とされるのと、理由もよくわからぬまま落とされるのではモヤモヤ感に差がありすぎます。
また、性格上「面接にさえ進めれば自信あるんだけど…」という人も多いので、そういう人にとって推薦は良い制度ですね。
選考で落とされにくくなる(教授推薦のみ)
教授推薦に限りますが、選考から落とされにくくなります。
教授推薦は企業的に見ても「その研究室の技術を持っている学生が欲しい」と思っている募集です。
その研究室と今後も良好な関係を築くためにも、その学生さんを採用するのはメリットが大きい。
例えば、僕が知っているビッグラボでは、就活している学生全員が教授推薦で内定を獲得していましたね…。
あなたが行きたいと思っている企業が、もし教授推薦で募集されていれば、迷わず教授にお願いしましょう!
というわけで推薦によるメリットは大体こんな感じです。
もちろんこれだけでも推薦を獲る理由には十分すぎますが、その一方でデメリットも説明しないとずるいですよね。
そこで、以下ではデメリットに関して解説します。
推薦で受かったら絶対に行かなければならない
当たり前ですが、推薦で企業に受かったら絶対に行かないといけません。
これは学部推薦・教授推薦両方で言えることです。
なぜなら推薦による選考は、大学・教授の面子が関わっているから。
推薦は大学・教授が「この学生は貴社にふさわしいし、本人も強く志望しているからどう?」と企業に紹介するものです。
その紹介には責任が伴っていますので、万が一その学生が変な態度をとったり、推薦を蹴ったりしたら一大事。
大学や教授の信頼を失墜させてしまう可能性があります。
そのため推薦は「絶対に受かったらこの企業に行く!」という企業だけにするのがおすすめ。
推薦だからと油断していると普通に落ちる
推薦とはいえ、選考から落ちることも普通にあるのでご注意を。
推薦=内定への切符と考えている就活生ほど、面接でコケることが多いですね笑
むしろ推薦は「選考通過のハードルが上がっている」と考えてください。
企業側から見たらあなたは「推薦者」です。
当然、自由応募で選考を突破してきた学生たちと天秤にかけます。
「君は自由応募の学生と比べて、どう優秀なの?」という前提で見られているはず。
自由応募の学生よりも優秀である、ということを示せないとむしろマイナス評価になります。
推薦は「ただ選考の一部をパスできるだけのチケット」ではないことに留意しましょうね!
ボスから「就活はその一社だけ受けろ」と言われる(教授推薦のみ)
教授推薦を使った場合に限りますが、ボスから「その1社に行きたいから推薦使うんだろ?」と言われるリスクはあります。
僕の知り合いは教授推薦で企業を受けるのを条件に、1社だけ受けることを承諾しました。
が、残念ながら最終面接で落ちてしまってネガティブドクターの道を歩むことに。
教授推薦はいきなり最終面接にいけるみたいな反則技もあったりしますが、100%内定が出るわけではないです。
むしろ事前情報なしの一発勝負で決める必要があるので、相当入念な準備をしていかないと危険ですね。
推薦のせいかESや面接対策がおろそかになる
大学・教授推薦のせいでエントリー企業数が少ない就活生は、ESや研究概要がおろそかになりがち。
推薦でも当然ESや研究概要は提出する必要がありますし、採用側はそれをしっかり読み込んでいます。
ここで適当なことを書いていると「なんだこれ、レベル低いな…」と思われてしまいます。
最終面接がいきなりマイナス評価からスタートしてしまうと、相当辛い戦いになるでしょう。
ですので推薦を使う就活生こそ、ESと研究概要で自由応募の就活生を圧倒しましょう。
むしろ書類の段階で「おお…さすがだ」と思わせることができれば、面接でも有利に進められること間違いなしです。
推薦を獲れなかった同期から妬まれる
けっこうどうでもいいデメリットではありますが、同期から妬まれるリスクは留意しておくべきですね。
企業1社あたり推薦を使えるのは、基本的に各学部で1名ずつ。
教授推薦の場合は、その研究室で1名ですね。
推薦を獲りたかったのにダメだったという就活生はけっこういます。
皆、口には出しませんが内心「なんであいつが…」と思ってることもありますので、推薦もらった人は責任もってその企業に受かりましょう笑
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就活で推薦を使うかどうかの判断基準
というわけで推薦のメリット・デメリットについて解説しました。
でも「推薦ってそもそもどんな人が使うべきなの?」ということに関しても気になりませんか?
そこで「この人は推薦を使うべき」という判断基準についてもご説明しますね。
考慮すべきは以下の3つだと考えます。
- 本命企業が推薦を募集しているかどうか
- 博士課程に進学しようとしているかどうか
- 就活で楽をしたいと思っているかどうか(危険な発想)
本命企業が推薦を募集している時。
これは誰よりも早く行動に移して、推薦権を獲るべき。
推薦権は成績で決められることもありますが、早い者勝ちということもあります。
その場合、先に手を挙げたもの勝ちなので、周りの目を気にせずに攻めましょう。
次に、博士課程に進学する意思があるけど、就活するか悩んでいる時。
これは推薦を使ってみるのをおすすめします。
「博士課程に進学した後でもこの企業なら行ってもいい」と思っている企業があれば、修士でそこだけ受けておくという発想ですね。
受かったら行けばいいし、落ちたら博士課程に進学すればいい。
1社だけしか受けない前提だから、そんなに就活の負担も大きくない。
その企業だけを調べればいいので、周りよりも情報量で差が付けられる可能性も高いですね。
そして最後に、就活で楽をしたいと思っている時。
これも推薦を活用するのがベターでしょう。
ただ楽するのは選考プロセスだけで、選考そのものを楽するのはNG。
あなたのライバルは皆、死に物狂いで就活に臨んでいます。
推薦使ったからといって、自由応募の学生よりも優秀になれるというわけではないです。
楽する部分は楽して、獲るべきところは確実に仕留めるという発想で厳しく望みましょう!
就活で推薦が使えるなら獲るべし、ただしそこまで重要ではない
というわけで理系院生が就活で推薦を活用するメリット・デメリットについて解説しました。
推薦は選考を一部パスできるという最強のメリットがあるものの、その権利を得るための代償も大きい。
それを意識したうえで、推薦というメリットを享受しましょうね。
獲れるチャンスがあるなら、我先に獲りにいってしまいましょう笑
ただ、推薦を使っても、自由応募のまま攻めても、個人的にはどちらでも良いです。
僕の第一志望だった企業にも推薦制度は無かったですし。
推薦を獲れたぞ!よっしゃー!
と喜ぶのは少々早すぎでして、それを活かして本命企業への内定という結果にこだわってくださいね!
というわけで当記事は以上です。
質問してくださった方、どうもありがとうございました!
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ではではっ
理系就活生に向けた全ての就活情報は、以下の記事に掲載しています。
企業研究者になりたいあなたにとって役立つ内容が絶対にあるはずです。
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