Twitter:@cryptobiotech
■研究が大好き(研究を義務だと感じてない)
■自分ならやっていけるという“根拠のない自信”がある
■人とコミュニケーションを取ること・人前で話すことが得意
■博士課程で自分がやりたい研究を明確にイメージできている
■自分の指導教官が「良き指導者」であると納得・理解している
こんな悩みを解決できる記事を用意しました。
ここで解説する『博士課程進学に向いている学生の特徴』を把握すれば、博士進学か否かを後悔せずに決断できる確率が上がるでしょう。
なぜなら博士課程進学に死ぬほど悩み、社会人になって結局博士課程に進み始めた自分が「博士課程学生ってこんな人が多いよね」と思う要素を解説するからです。
院生当時はとにかく博士課程の先輩やOBに話を聞きまくり、自分が博士課程に向いているか判断しようともがいていた記憶があります。
「将来研究者として生きていきたいけど、自分が博士課程でやっていけるかわからない」
「博士課程でうまくいく人の特徴ってあるのかな?」
と1ミリでも思ったことがあるなら、ぜひ当記事をご一読ください。
数分で読めますので、作業の合間の小休憩時にでもご覧いただければ幸いです。
目次
博士課程進学に向いている学生の特徴5選
僕が当時色々先輩方に話を聞きまくって、「こういう人が博士課程に向いているんだな」と思った特徴は以下の通りです。
順々に解説していきますね。
研究が大好き(研究を義務だと感じてない)
「研究を楽しめること」は博士課程進学で最重要とも言える要素です。
「日付が変わるまで研究とか馬鹿らしい」
「家に帰ってまで論文読むとか頭おかしい」
「結果が出ないことを淡々をやり続けることは好きではない」
こういう風に考えてしまう人は、博士課程に向いていません。
なぜなら僕の同期や先輩で博士課程に進んだ人のうち、上記に当てはまる考えをもちながら成功を収めた人がいないから。
ちなみにここで言う「成功者」とは、博士課程の卒業要件を余裕で達成して1年間くらい海外に研究留学した自由人をイメージしてもらえればいいかと。
研究というのは、誰もこれまでにやったことのない新しいことをやるので、失敗のほうが断然多いわけです。1年に1~2回ぐらい「わ~っ!よかったあ」と思えるような結果が出れば、それはとてもラッキーな年なんです。(藤井紀子)
引用元:科学者になる方法 ― 第一線の研究者が語る
そういう成功者たちって、研究が本当に好きなんですよね。
研究のことばかり考えていて、一般の方からしてみたら「狂人」と思われるくらい。
研究が好きでブレーキかけずにフルスロットルでやり続ける人。
「あまり研究楽しくないな…卒業だけなんとかできればいいや」と考えている人。
どちらが研究者として花開くかは言うまでもありません。
「博士課程に進む=研究が趣味のような狂人たちと戦う」であり、それ相応の覚悟が必要です。
仮にあなたが研究大好きで、研究を人生のライフワークにしたい場合。
ようこそ博士課程へ。
研究もまた自分らしい個性の表現なのである。このように考えれば、研究者のめざすものは芸術家がめざす自己表現と何ら変わらない。
引用元:酒井邦嘉 著「科学者という仕事」
自分ならやっていけるという“根拠のない自信”がある
前項で紹介したような狂人たちと戦うためには、本当にうまくいくかは別として「自信」が不可欠です。
博士課程に進む前から「自分が本当にやっていけるのか」と悩んでいる人。
基本的に博士課程に進学してもうまくいっていないことが多いですね。(実際にそういう先輩を何人も見てきました)
博士課程進学を決断して迷いを捨てた人間はそこで悩まない。
万が一良い結果が出なかったとしても「さて、どうやってこの状況を打破しようか…?」と自然に考えることができる。
一方、その芯がブレブレな人は良い結果が出なかった時に次のように悩みます。
「どうしよう…本当に3年で卒業できるのかな」
「やっぱり自分は研究向いていないんだ…」
こういう思考で研究を進めるから、研究以外の部分で時間を浪費します。
研究だけじゃなくて、スポーツや芸術もそうだと思いますが、自分自身を信じられない人は成功しないですよね。
根拠のない自信を持っている人は失敗にもめげない。
ノーベル生理学・医学賞を受賞された利根川先生も仰っている通り、こういう人は博士課程進学してもやっていけます。
よく言うことなんだけれど、非常に楽観的な人が科学に向いています。
色々と難しいことがあっても簡単に滅入らない人、諦めない人、それからプライオリティがしっかりしていること。これは重要です。引用元:科学に関する名言・格言(利根川進 氏 1987年ノーベル生理学・医学賞受賞)
人とコミュニケーションを取ること・人前で話すことが得意
人前でコミュニケーションを取ることが好き、人前で話すことが得意という方は博士課程に向いています。
もしかしたら一般の方々は、研究者に対して以下のようなイメージを抱いているのではと推察します。
研究室で黙々と1人で実験をしている
コミュニケーションを人と取ることが苦手
穴があったら入りたい
でも実際はそんなことないんです。
積極的にコミュニケーションとったり、自分の仮説を臆することなく人前で話すことができる人が研究の世界で優秀と判断されます。
自分の意見や仮説を他人に伝えることができない研究者は他人から共感してもらえません。
研究をより推進する「共同研究」という流れにもっていけないんです。
実際にネイチャー・セル・サイエンスというビッグジャーナルに載る著者数って多いですよね。
みんな共同研究して世の中を驚かすような研究をしています。
つまり「一緒に研究をやろう!と言える能力」、すなわち「コミュニケーション能力」は研究においても必須です。
これに自信がある人は博士課程に進学してもやっていける素質を持っています。
どんな種類の研究でも、指導者、助言者、先輩、同僚、共同研究者、後輩、部下、学生、ときには競争相手などとの付き合いは不可欠です。
その良否が研究の成否を決めると言っても過言ではありません。
引用元:研究者としてうまくやっていくためには-長谷川修司 著(P7)
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博士課程で自分がやりたい研究を明確にイメージできている
博士課程で自分がやる研究を意識できている人は強いです。
なあなあで博士課程に進んだ学生とは天と地の差が3年間で開くはず。
個人的な価値観ですが、博士課程は「修士2年までに自分が創り出した仮説を、3年かけてモノにする期間」だと思っています。
「人が面白いということや、今面白いことはやるな、自分で考えたテーマを面白くせよ」(江上不二夫)
引用元:JT生命誌研究館
ちなみに少し余談ですが「B4~M2の間にどこまで成長できればいいのか?」が気になる方は以下の記事もご一読ください。
企業人の自分から見て、ここに書いてある内容を満たす大学生・院生は優秀な部類に間違いなく入ると思います。
指導教官から好かれている&指導教官を尊敬している
指導教官に好かれている&その指導教官を尊敬していることは、博士課程進学に重要だと考えます。
なせなら博士課程に進学すると、当然ですがその指導教官と3年は過ごすことになるから。
自分の研究が上手くいくためには、指導教官のサポートが不可欠です。
ただし指導教官も人間ですので、自分が気に入っている学生を助けてあげたくなるもの。
指導教官に好かれているか嫌われているかでその3年間は大きく変わるでしょう。
博士課程に進学したら、研究室内雑務も少しずつ回ってくるようになります。
研究以外のことも淡々とこなせる学生は、指導教官からの評価がアップし、巡り巡って手厚いサポートが受けられるようになります。
サポートを受けられる土台作りも担保できている人は博士進学してもうまくやっていけます。
優れた科学者が優れたメンターであるとは限りませんが、その逆は常に真実です。
引用元:良きメンター、 良き科学者
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博士課程は地獄への門?それとも希望への門?
というわけで『博士課程進学に向いている学生の特徴』に関して解説しました。
最後にもう一度だけ復習しましょう!
博士課程進学に向いている人の特徴
他にも重要な要素はあると思いますが、あえて5つに絞ったら何が重要かという観点で記事にしてみました。
ネットを見るとよく「博士課程は嫌だ」とか「博士課程は地獄」みたいな話を目にします。
が、それを鵜呑みにして「博士課程のことをよく知らずに企業に進学してしまうのは不幸」ですね。
僕も先輩たちに膨大な質問をぶつけたおかげで“納得して”企業への道を選択することができました。
先輩たちに聞いていなかったら企業に入ってから「やっぱりストレートで博士課程進学の方がよかったかも」と悩んでいたかもしれません。
進学か、就職か。
どちらを選択しても、あなたの人生に影響を与えることは間違いないです。
後悔がないように、自分の目で、自分の足で情報収集はしっかりしておきましょうね!
というわけで当記事は以上です。
ではではっ
1. 研究職のイメージをもっと固めたい!➢「研究職」のまとめ記事
2. 理系院生(修士卒)の就活ノウハウが知りたい!➢「院生就活」のまとめ記事
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