<当記事でわかること>
■研究職として求められる「コミュニケーション力」
■コミュニケーション力を磨くために研究職が実践していること
当記事では、企業研究職のくりぷとバイオ(@cryptobiotech)が「研究職として磨くべきコミュニケーション力」を解説します。
当記事を読み終わる頃には、研究職として磨くべき能力が明確になっているでしょう。
どうぞ最後までご覧ください。
目次
研究職がコミュニケーション力として「これは磨くべき」と感じる能力5選
僕がコミュニケーション力として「これは磨くべき」と感じているものは以下の通りです。
1つずつ説明しますね。
研究成果を積極的に周りに伝える力(社内営業力)
研究職として、研究成果を積極的に周りに伝える力(社内営業力)は必須です。
なぜなら、自分の研究価値を理解してもらえると協力者が増えるから。
例えばですが、僕は社内飲み会などのイベントで自身の研究を積極的に伝えるようにしています。
こういったイベントで研究を理解してもらえると「○○ってやつが面白いコトしてるぞ」と噂してもらえるようになる。
噂が広がると「ウチの▼▼にその研究成果使えないかな?」というお声がかかるようになり、自身の研究を役立てるシーンが増えます。
確かに本当に凄い研究なら、わざわざこちらから周知しなくても向こうから話が来るかもしれません。
「どうしてもその技術が必要なんだ!」と向こうから言ってきてくれたら、研究所として鼻が高いですよね。
でも世界を変えるほど凄い研究でも、プレスリリースなど様々な方法で一般の人々に周知されています。
そして世界を代表する研究者でも、一般人を対象にした講演会などに出席して理解を図ったりしますよね?
例えば以下のように、ノーベル賞を受賞した山中先生ですらご講演をされています。
“知ってもらうために動く”のは本当に大事で、自分だけで「これは凄い研究だ」と思っていても全く意味がないです。
研究成果は人に使ってもらってナンボだと思うので「社内営業力」は本当に磨くべき能力だと思います。
他職種の仕事を“自主的に”理解しに行く意志力
他職種の仕事を“自主的に”聞きに行って理解しに行く意志力も、研究職にとって非常に重要。
自身の研究が本当に“顧客課題”の解決に繋がるかを理解できるためです。
例えば開発職や営業職の人と話すと、様々な顧客ニーズを聞くことができます。
○○社はこういう技術を求めてるとか、□□という人たちからこういう製品が欲しいと言われているとか。
“今の課題”を知るためには他分野の人と話すのが一番。
研究職を何年かやってわかりましたが、「実験室」や「居室」に顧客ニーズは転がっていないですね。
顧客のことを常に考えて研究するのが研究職の仕事だと思うので、積極的に他職種の話を聞きに行くのがGOODですね。
ちなみに顧客ニーズを学ぶには以下のような書籍を読むのもおすすめ。
ビジネスモデルで良くできているものは顧客ニーズをうまく捉えているので、研究職でも一読の価値ありです。
自ら得たものをどんどん他人に伝承していく力
研究職は、自分が頑張って獲得した情報・経験・スキルをどんどん周りに還元していくべきです。
なぜなら周りに還元すればするほど、後々自分にもしっかり返ってくるから。
例えば僕が尊敬する先輩に「自分が得た情報・経験・スキルを周りに教えまくる人」がいます。
そんなことまで教えちゃう?ということまでどんどん教える。
自身が世界で初めて創りだした技術とかも周りに一瞬で共有しちゃう。
周りに還元しまくる先輩は、自分の居場所や仕事が無くなるなんてことはありません。
還元するほど周りから感謝され、他の人からもどんどん知らない情報を教えてもらえるという正の連鎖。
自分の知識・経験・スキルを周りに教えようとしない人ってたまにいるのですが、
- 周りから実験結果を信頼されなくなる(他の人が再現取れないから)
- 「どうせあの人は教えてくれないから」と会話機会を失う
- その知識・経験・スキルを代替する存在が現れた時に一瞬で存在価値を失う
という三重苦を背負っていると思います。
周りに還元するということは「自分の価値を下げる行為」ではないです。
あと新しいことを獲得しないと自分の価値が落ちるという“良いプレッシャー”になると思います。
得たものはどんどん周りに還元して、どんどん自分は新しいことを獲得すべき!
以下の書籍にも書かれていますが、GIVE精神は周りと協力して良い成果を出すために必須だと思います。
周りの仕事状況を把握してサポートする力
周りの状況を俯瞰してサポートできる力は、上を目指すなら是非若いうちから意識しておきたいことです。
というのも年齢が上がれば自分で実験することも少なくなり、新規テーマ&実験計画構築・マネジメントに時間を使うようになるから。
それは研究室を代表する教授を見ていればわかる通りですよね。
自分の仕事に没頭するのも大事ですが、周りの人が今どうなっているのか?を意識するのも大事。
研究はチームで動くことも多いので、周りを働きやすくするように動くのは結果的に自身の成果にも繋がりやすくなります。
何かを求められた時に「その役職に就いたらやります」と言う人がいますが、個人的にそれは違うと思います。
「やれ」と言われる前に意識的にやった方が後々必ず役立ちますし、上長から見ても「お、えらいな」と思ってもらえる可能性も高い。
あと周りの仕事状況を理解しておくと、相手に何かお願いしたいときもタイミングを掴みやすくなります。
少なくとも同じ研究チームメンバーの現状を俯瞰的に見る力はすぐにでも養っておきたいところ。
相手の価値観を拒絶せずに受け入れる力
研究職として仕事をするうえで、最も大事だと思う能力は「他人の価値観を受け入れる力」です。
なぜなら価値観で“研究成果を出せるかどうか”は決まらないから。
僕も研究者として研鑚を積んできてはや6年が経過しますが、その間いろいろな人を見てきました。
特に「研究で成果を出す人」に着目したとき、以下のような価値観を持つたちがいました。
- 膨大な作業量こそが正義
- 周りと楽しくやることが正義
- 周りを蹴落としてでも成果を出すのが正義
- 徹底的な理詰めで進めるのが正義
- いかにサボって成果を出すかが正義
正直、どれが本当の正解なのかはわかりません。
むしろ正解なんてなくて「“成果を出せる価値観”なんてものはあるのか?」と思わされるほど多様性に富みます。
それゆえ今では、研究に対する個々の価値観は否定するものではないなと思うように。
ただ、どうしても価値観が合わない人が側にいてストレスになることは確かにあります。
「今日もこの人こんなこと言ってるよ…嫌だなあ」と思う気持ちは僕もよくわかります笑
ですが他人の価値観を否定してしまうと、ほぼ確実にその人との関係はこじれます。
こじれてもいいと思ってやるなら良いかもしれませんが、仕事はめちゃくちゃやりにくくなります。
さらに言うと、周りがその二人のケアに労力を割くことになるので、部署全体にも迷惑がかかります。
どうしても価値観が合わないとしても「確かにそういう考え方もありますね」以上のことは考えなくて良いのかなと。
そこで相手と舌戦を繰り広げるのは時間がもったいないし、メリットも少ない。
価値観が合わない人とも仕事をしてベストな成果を出すのが「プロ」だと思うので、拒絶ではなく受け入れて考えるようにしましょう!
研究で成果が出ない学生にありがちな5つの癖【進捗ないと嘆くな!】
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研究職は特にコミュニケーション力を求められる職種
というわけで研究職が磨くべきコミュニケーション力について解説しました。
いずれも自分がまだまだ磨かなければならないと感じているものを挙げています。
企業研究職は「院生での研究」と求められるものが全く異なります。
特に修士課程の間にビジネスモデルとか考えている人はほぼ皆無なんじゃないかなと。
事前に「企業研究職」として求められるものを把握しておけば、いざ必要になった際にすぐに学ぶ意思決定ができます。
当記事があなたの研究職としての能力を高めるきっかけになれば幸いです。
というわけで当記事は以上です。
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ではではっ