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企業研究職

研究職は安定なの?それとも不安定?【万が一に備えた行動も大事】

研究職に興味があるんだけど、研究職って安定なの?

実際に企業研究職に従事している人から意見を聞きたいです。

 

当記事では上記のご要望にお応えいたします。

 

本記事の内容

  • 研究職は安定か?【答えは「No」】
  • 研究職は研究以外にも目を向けていった方が良い

 

大学を修士課程で卒業後、企業で日々研究に取り組んでいるくりぷとバイオ(@cryptobiotech)と申します。

就活では製薬・食品など様々な業界から研究職・研究開発職の内定をいただくことができました。

 

先日、以下のようなツイートをしました。

「研究職って安定なんですか?」という質問の回答は「No」に一票です。企業が危うくなったら真っ先に切られる職種だし、給料も営業職や生産職より低くなりがち。研究職で安定を求めるよりも、研究者としての実力を伸ばしつつ「研究職以外をやることになったら?」を常に考えて行動すべきと考えます🧐

 

当記事ではこのツイートをもう少し掘り下げてみますね。

研究職に憧れを抱くことはGOODですが、良い面だけでなく悪い面もしっかり知っておくべきだと考えます。

 

コロぽち
コロぽち
まあどんな職種でも良い面と悪い面があるからな。
バイオさん
バイオさん
色々な情報を集めてから入社した方が覚悟ができると思います。

 

当記事は数分で読めるので、是非ご覧ください。

 

 

目次

研究職は安定か?【答えは「No」】

研究職の安定性・不安定性をイメージさせる図

異論OKですが、個人的に「研究職は安定ではない」と思う理由は以下の通りです。

 

  • 企業業績が危うくなったら真っ先に切られる可能性があるから
  • 営業職や生産職よりも給料が低くなりがちだから
  • 営業部門や開発部門からの目が厳しいから(精神的な安定も少ない?)

 

順々に説明していきますね。

 

企業業績が危うくなったら真っ先に切られる可能性があるから

会社からリストラを宣告される研究職

研究職は企業の業績が危うくなったら真っ先に切られる可能性が高い職種ゆえ、安定とは言えません。

 

例えばですが、「営業・生産・開発・研究」を有する企業を考えてみます。

本当は経理とか人事とか職種は多様ですが、挙げたらキリがないのでそこは気にしない方向で。

 

仮にですが、ある日突然それぞれの職種が消えたらどうなるか。

 

  • 営業:モノが売れない。会社終了。
  • 生産:モノがつくれない。会社終了。
  • 開発:新コンセプトの製品つくれない。既製品改善できない。会社は短期的に(3~5年で)終了。
  • 研究:新製品のタネが生み出せない。会社は中長期的に(5~10年で)終了

 

結局どの職種が無くなっても会社は終了するわけですが、“消しても会社が一番長く保つ”のは研究職だと思います。

 

コロぽち
コロぽち
え、でも別に業績悪化で研究職が毎回切られるわけではないだろ?

 

もちろん下記の記事に書かれているように、研究開発だけでなく医薬情報担当者(MR)なども対象になる場合があります。

 

ただ以下の記事にあるように、研究が大幅に削られるケースも当然あります。

上記は「研究開発」と一緒になっていますが、「研究」も削減対象であるのは間違いないですよね。

 

また以下の記事だと、武田薬品が湘南ヘルスイノベーションパークに在籍した研究員を1,200人→522人に削減したという話も出ていますね。

 

研究職は会社業績の悪化で削減されやすい職種であることは間違いないです。

特に今は「研究を外注する」ケースも増えてきていますので、社内に研究部門が無くてもやれてしまう時代になってきています。

 

仮にあなたが経営者だったとして、会社業績が大きく低迷している際に「10年後の未来」に投資しますか?

今の業績を回復させずに未来に投資するって、そもそも10年後まで会社は保ちますか?

どうやってそれを株主に説明するんですか?

 

業績回復させるために、まず今できることに特化して全力で生き残ろうとするのが普通では?

 

営業の人数を増やして、たくさんモノを売ろうとする。

生産の人数を増やして、たくさんモノをつくろうとする。

開発の人数を増やして、今ある技術でたくさん新製品を開発しようとする。

 

研究職の僕から見ても、その状況で「研究に投資するぞ!」とはならないですね笑

研究は企業に余裕がある時しかできないと思っていた方が良いです。(特に社内研究は)

 

これらを考慮すると、研究職は決して「安定」ではないと考えます。

 

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営業職や生産職よりも給料が低くなりがちだから

研究職の給料の少なさを表すイメージ図

これは完全にケースバイケースですが、それを承知であえてお伝えしておこうかなと。

研究職は営業職や生産職よりも給料が低くなりがちです。

 

というのも営業職は自らの営業成績に応じて給料を伸ばすことができます。

しかもめちゃくちゃできる人は出世も早いので、必然的に給料も上がりますよね。

 

バイオさん
バイオさん
別会社ですが自分の大学同期で、バリバリ営業職で成果出してもう管理職間際の人とかいますね。
コロぽち
コロぽち
まあ営業職はできる人とできない人の差が激しいから全員に優しいわけじゃないけどな…。

 

また、生産職は普段の給料は研究職とほぼ変わらないと思いますが、海外転勤も多く、海外手当をかなり貰うことができます。

しかも東南アジアとかに赴任が決まると、現地ではメイドさんも付けてもらえるとか。(以下参照)

 

また、以下のツイートのように「海外転勤で数千万円貯金が貯まる」という人も中にはいるようです。

 

コロぽち
コロぽち
別に研究職でも海外研究派遣とかあるやん。海外手当つくだろ?
バイオさん
バイオさん
研究職の海外転勤は欧米がほとんどで、向こうの方が物価高いからむしろマイナスのケースもあるんだよね…。

 

研究職も研究留学とかあるので海外手当は大体同じですが、いかんせん物価も上がるので貯金は生産職より絶対増えないです笑

 

こういった話を考慮すると、研究職は給料面でも他職種と比べて「安定」とは言いにくいです。

研究職にも「特許使用料」という必殺武器がありますが、実際の製品化までに時間がかかる上、それが出る確率はかなり少ないので…。

それなら生産職で海外転勤する確率の方が高いと、肌感覚的にわかっていただけるかと思います笑

営業部門や開発部門からの目が厳しいから(精神的な安定も少ない?)

周りから厳しい目で見られている研究職

研究職は他部門からの目が厳しいこともあって精神的な「安定」も少ないのでは…?

と思うことがあります。

 

他部門からどう厳しい目で見られるのかと言いますと、先日僕がpeingで頂いた質問のようなやつですね。

ブログやらTwitterやら、精力的に活動していますが、研究職ってのはそんなに暇なんですか?

正直、研究部門なんて大して売り上げに貢献してないんだから、そんなに暇なら予算も人件費も削減したいのですが。

この質問は僕個人に対する批判と研究職に対する批判が混ざっていますが、研究職に対して内心こう思う方がいるのは事実だと思います。

もちろん研究部門に理解を示してくれる方もたくさんいるので、そこは誤解なきよう。

 

ただこの質問も決して間違ってはないんですよね。

なぜなら数か月単位で厳しく成果を求められる営業職や開発職と比べて、我々研究職は数年単位で成果を出す仕事をしているから。

さらに言えば、我々の研究が失敗しても会社の業績に甚大な被害が出るわけでもない。

 

コロぽち
コロぽち
そりゃ「俺たちが汗水たらして稼いだ売上でいつまで遊んでんだ!」って思う人もいるわな。
バイオさん
バイオさん
研究職はこういった批判を真摯に受け止めるべきだと個人的には思う。

 

失敗率が高めの研究職に対して、社内から厳しい目があるのはどの企業でも同じなのかなと。

(こちらも決して手を抜いているわけでなく、家で論文読んだりもしてるのですがね…。)

それでも「不要」と言われるのは中々辛いものがあります。

 

コロぽち
コロぽち
まあ営業・生産・開発に「不要論」はそもそもありえないからな。
バイオさん
バイオさん
これら部門が無くなってしまったら会社が本当に終わってしまうからね。

 

こういった事情もあり、研究職は職種面でも給与面でも精神面でも「安定」とは言えないと思います。

 

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研究職は研究以外にも目を向けていった方が良い【安定は望むべからず】

研究職が諦めずにトライしようとしているところ

というわけで、研究職は決して「安定」ではないという話をしました。

「めちゃくちゃ不安定」というわけでもないですが、いろいろ苦労することも多い職種だと感じます。

 

コロぽち
コロぽち
でもここまで苦しい立場ってわかってるのに、何でお前は研究職やってんだ?
バイオさん
バイオさん
それはやっぱり「研究が好き」だからだね。

 

研究職は研究が「好き」じゃないと厳しいです。

会社からの人員削減リスクに怯え、給料も他職種より増えにくく、周りから「不要」と言われることもある。

それでもなお僕が「いや、それでも研究職だろ」と耐え続けられるのは、研究が好きであり、自分が世の中を変えてやろうと思っているからです。

 

「好きなこと」でお金がもらえるというのは、周りの環境がどうあれ幸せなことです。

 

ただし今のご時世は悲しいことに、いつジョブチェンジで研究職を退くかわからない世の中であることも事実。

だからこそ「研究職でなくなったら?」という視点を持ち続けることは重要だと考えます。

色々な可能性を見据えて僕は“副業”にも全力でトライしてます。

 

もしあなたが「これから研究職にトライしたい!」と思っているのであれば、こういった“リアル”をしっかり知っておくべき。

そしてこれらの“リアル”を知ってもなお研究職に就きたいというのであれば、その際はぜひ研究職の扉を叩いてください!(保険も考えた上で)

 

というわけで当記事は以上です。

当記事が参考になったら、ぜひくりぷとバイオ(@cryptobiotech)のTwitterもフォローしてやってくださいませ。

ではではっ

 

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ABOUT ME
くりぷとバイオ
研究を一生続けていくため、まずお金の不安を解消すべく副業を始めた20代科学者。 旧帝大を修士で卒業後、大手企業で基礎研究職に従事。 研究室時代はストレスで心身を病みながらも日夜実験に取り組み、運良く筆頭著者論文を複数投稿することに成功した苦労人&棚ぼたマン(自称)。 暗号資産の面白さ・可能性に惚れこみCoinMarketCapの銘柄を全部調べた経験あり。